2011.08.11

▽『皇族誕生』――皇族たちの群像劇

浅見雅男『皇族誕生』(角川グループパブリッシング)

幕末史の主要人物といえば、江戸幕府や、明治維新を担った下級武士が中心です。

▽『幕末史』――攘夷から開国への転換点は?
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2011/06/post-7fe7.html

一方、天皇は、せいぜい孝明天皇と明治天皇を中心に歴史が書かれる程度です。本書は、明治維新期に誕生した「皇族」にスポットをあてたものです。

江戸時代末期、4つしかなかった皇族の「宮家」は、王政復古を経て十に増えました。しかし、財政問題を抱えていた明治政府は、「臣籍降下」という制度を作り、増え続ける皇族を減らすことに成功したそうです。

興味深いのは第二部の「皇族と軍隊」。江戸時代までは、皇族の多くは出家しましたが、明治期の神仏分離により、出家できなくなり、かわりに軍人となりました。軍隊では、特別扱いしないで一般の兵隊と同じように扱って欲しい、と要望を出した皇族が多かったそうです。

皇族たちの群像劇としてみると、本書はなかなか面白いですね。


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