2011.09.18

▽内部被曝の真実

児玉龍彦『内部被曝の真実』(幻冬舎新書)

児玉龍彦教授といえば、国会に参考人として呼ばれた際の動画で注目を集めました。この動画を見て、現状に対して本気で怒っている大人がいることに、「ちょっとほっとした」とだけ言っておきます。

さて本書は、この参考人質疑を文字にしたものを中心に、放射線の人体への影響を、とてもわかりやすく解説しています。

簡単にまとめると、
・遺伝子は二重らせん構造のため安定的である
・しかし、細胞分裂の際には、二重らせんはほどけて一本ずつになり、この時、放射線によって切断されやすくなる
・このことは、細胞分裂のさかんな胎児や子供の方が、より高い危険にさらされていることを意味する
・一つの遺伝子の変異だけではがんは発生しないが、もう一つ別の要因が重なるとがんへの変異が起こる

一般の人にもわかりやすく丁寧に解説されていますので、ご一読を。放射線の除染がうまく進むよう願ってやみません。

[目次]
第1部 7・27衆議院厚生労働委員会・全発言
 私は国に満身の怒りを表明します
 子どもと妊婦を被曝から守れ―質疑応答
第2部 疑問と批判に答える
第3部 チェルノブイリ原発事故から甲状腺がんの発症を学ぶ
 ―エビデンス探索20年の歴史と教訓
第4部 “チェルノブイリ膀胱炎”
 ―長期のセシウム137低線量被曝の危険性
おわりに 私はなぜ国会に行ったか


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