2011.09.17

▽運命の人

山崎豊子『運命の人(一)』(文藝春秋)

『運命の人』は、沖縄返還を巡る「外務省機密漏洩事件」をモチーフとした山崎豊子の小説。フィクションとしての誇張はあるものの、ストーリーは概ね、実際の事件と同じような展開をみせていく。

4巻のうちまず1巻は、当時の政治的背景が描かれるとともに、野党議員に渡された機密情報が国会で晒され、主人公の弓成が警察に出頭するまで。

2巻は、弓成が逮捕・起訴されるまで。

3巻は、一審から最高裁までの裁判過程が中心となる。

4巻は、沖縄の歴史が振り返られるとともに、1995年に発生した暴行事件、そして、米国立公文書館で発見された機密文書により、密約の核心部分が明らかになる――。

当時の雰囲気や関係者の機微などは、小説という形式ならではのリアルさが感じられた。


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