« 2011年9月 | トップページ | 2011年11月 »

2011年10月

2011.10.27

▽成功する人は缶コーヒーを飲まないらしい

姫野友美『成功する人は缶コーヒーを飲まない 「すべてがうまく回りだす」黄金の食習慣』(講談社プラスアルファ新書)

書評というか、自分用のメモとして――。

缶コーヒーなど砂糖が多く含まれているものを飲食する→血糖値が一気に上がる→膵臓からインスリンが分泌される→一気に血糖値が下がる(低血糖症)→脳にブドウ糖が供給されなくなる→眠気を誘う。

対策としては、缶コーヒーを飲む時は砂糖の入っていないものにする。砂糖の多く含まれる食品や、精製された糖質の含まれる白米、うどん、ラーメンなどは食べ過ぎない。

低血糖症になると、アドレナリンやノルアドレナリンが分泌される。アドレナリンは攻撃的に、逆に、ノルアドレナリンは不安な状態に陥らせる。うつ症状を訴える人の中には、糖分のとりすぎによる低血糖症が原因と思われるケースも増えているという。

砂糖を摂取すると、脳内に快感物質のドーパミンやセロトニンが放出されるため、この快感を求めて砂糖をまた摂取したくなるという「依存症」になりやすい。また、糖質を摂取するとインスリンが分泌されるが、インスリンは脂肪をたくわえるためにメタボリックになりやすい、などなど……。

でまあ、砂糖依存症にならないようにするには、糖質の含まれる白米などの摂取を減らして、蛋白質を多くとりなさい、と。これはあれですね、いわゆる「糖質制限ダイエット」に近いコンセプトの食生活改善の提案ですね。

本書で薦められているのは、それほど極端な「糖質制限」ではないのですが、まあ、糖分のとりすぎには気をつけましょう、ということで。

|

2011.10.17

▽公安もツライよ――『公安は誰をマークしているか』

大島真生『公安は誰をマークしているか』(新潮新書)

著者は、警視庁の公安部や警備部を担当した経験のある新聞記者で、本書は、いわゆる「公安」が、どのような活動を行っているかについて書いたものです。

とはいうものの、公安をテーマにした本でよく取り上げられるトピックがまたかという感じででてきます。ネタの出所は同じなので、やむをえないことかもしれませんが、ま、なかなか秘密のベールをめくるのは難しいようですね。

[目次]
はじめに
序章  公安とは何か
第1章 警視庁公安部 公安総務課vs共産党
第2章 公安一課vs過激派
第3章 公安二課vs革マル
第4章 公安三課vs右翼
第5章 外事一課vsロシアスパイ
第6章 外事二課vs北朝鮮工作員
第7章 外事三課vsアルカーイダ
第8章 事件現場に臨む公安機動捜査隊
第9章 公安調査庁の実力は
おわりに

|

2011.10.12

▽暴力団もツライよ――『暴力団』

溝口敦『暴力団』(新潮新書)

本書の発売が9月20日。吉本興業の島田紳介が引退を表明したのは8月23日だったので、それ以前から企画されていたのでしょうが、とてもタイムリーな一冊となりました。若干ですが、芸能界と暴力団との関係の部分で、島田紳介についても触れています。著者は、2005年の時点で、暴力団との関係を指摘していたとのこと。

さて、本書に書かれている内容自体は、あまり目新しいものはありませんが、山口組の弘道会の最近の動向については、さすがに、この分野の第一人者といえる詳しさです。

弘道会とは、山口組の六代目組長を輩出している中核団体ですが、最近は、警察官の個人情報を集めて捜査妨害をしたり、「十仁会」というヒットマンを集めた秘密組織を作ったり、大阪府警の取り調べ時の暴行に対して損害賠償を勝ち取ったり、と、警察との敵対的な態度を強めているようです。

これは暴力団の実態が、存在を容認されたヤクザというよりも、過激派のような非公然組織に近づいてることの現れなのだそうです。こうした「マフィア化」をもたらしている最大の要因は、1991年に暴対法が施行されて以来、暴力団に対する締め付けが厳しくなったことにあるのだそうです。

各自治体で相次いで施行されている「暴力団排除条例」もこうした傾向に拍車をかけることになりそうです。

|

2011.10.10

▽公務員もツライよ――『公務員だけの秘密のサバイバル術』

中野雅至『公務員だけの秘密のサバイバル術』(中公新書ラクレ)

地方公務員、国家公務員、公立大学教員という異色のキャリアを持ち、政府審議会委員やTVのコメンテーターとしても活躍する著者が、最近の公務員事情とそれにいかに対処すべきかについて率直に語っている。

第一部は、最近の公務員を取り巻く状況についてで、公務員が嫌われている理由、公務員制度改革のもたらすもの、赤字財政による賃下げや分限免職の恐怖など、公務員であることも楽では無いことが示される。

第二部は、そうした状況において、公務員はいかに生き残りを図るべきか、その5つのサバイバル術を著者の経験も交えて伝授している。特に、第六章の「ゴマすり力」を磨くべし! は上司の性格ごとに異なるゴマすり法を紹介しており、著者の人間観察力の鋭さを伺わせる。

一時流行した、勢いだけの自己啓発本の類に比べると、はるかに日本の組織の実情に即したリアリティがあり、公務員だけでなく、普通のサラリーマンにとっても多くの示唆に富んでいるようだ。

[目次]
第1部 「リストラ・賃金カット」の潮流
 公務員はなぜここまで嫌われ者になったのか?
 制度改革は公務員をどこまで追い詰めるか?
 四つの怖い落とし穴

第2部 五つのマル秘サバイバル術
 役所を辞めてはいけない!
 公務員こそ出世をめざせ
 「ゴマすり力」を磨くべし!
 「外部」と頻繁に接触しよう
 公務員から大学教授になるとっておきの方法
 独立するなら50歳

さいごに 今こそ「公務員力」を世間に示す時

|

▽『国債・非常事態宣言 「3年以内の暴落」へのカウントダウン』

松田千恵子『国債・非常事態宣言 「3年以内の暴落」へのカウントダウン』(朝日新書)

非常に刺激的なタイトルの本書ですが、内容はしごくまっとうなものです。当たり前のこと過ぎて、読んでいるうちに、眠くなってしまうほどです……。

むしろ、このような常識が国民の間で共有されていない(ように見えるのは)のはなぜだろうか? という方に関心が向いてしまいます。

著者は、日本と同じように財政問題を抱えているイギリスのキャメロン首相の政策を引き合いに出します。キャメロン首相は2015年までの財政改革のプランを作り、さまざまな反対を押し切って実行にうつし、英国債の格付け引き下げ回避に成功します。

《日本で気になるのは、こうした事業再生(国家再生)のプロセスが、「鎮火」「実行」「成長」といった一連のストーリーとして語られず、「鎮火派=財政再建派」、「成長派=上げ潮派」、といったような二者択一のものとして扱われ、どちらかをとれば他方は二度とできないに等しい扱いがなされたり、すべての施策が同時に行えるような幻想をふりまくようなものだったりすることです。》(pp.139-140)

こうした状況が生じる原因として著者は、「時間軸と優先順位の概念がない」(p.140)こと、「将来の日本の姿という大きな展望が欠けている」(同)ことを指摘しています。

財政問題をわかりやすく、かみ砕いて解説してくれる良書です。

|

2011.10.02

▽『孫正義が語らない ソフトバンクの深層』

菊池雅志『孫正義が語らない ソフトバンクの深層』(光文社)

本書はジャーナリストの菊池雅志が、ソフトバンクのブロードバンド事業と携帯電話事業の舞台裏を描いたものである。

ソフトバンクを描いたビジネス書となれば、普通は、孫正義が中心となるところだが、菊池は、孫の周辺でソフトバンクを支えてきた面々にフォーカスを当てていて、これまで明らかにされていなかった事実も掘り起こされており興味深い。

たとえばイギリスのボーダフォンが日本法人を売りたがっている、という噂は日本国内では、ずっと流れていたものの、英ボーダフォンがソフトバンクに明確な意思表示をしたのは2005年12月末のことであった。また買収価格をつり上げるために、ボーダフォン側からリークがあったこと、明らかに「数千億円高い」(p.59)価格で買収させられたこと、などが率直に語られている。

本書が発行されたのが、2010年12月と、ほぼ一年前であり、ソフトバンクが独占販売権を獲得したiPhoneの爆発ヒットにより絶好調ともいえる時期であった。しかし、最近の報道によると、iPhoneをライバルのauが発売される可能性も浮上しており、ソフトバンクの独走状態がいつまで続くのかわからない。そんな時期だからこそ、あえて読んでみることをお薦めします。

[目次]
第1章 尾張の桃太郎
第2章 Yahoo!BB
第3章 ボーダフォン買収
第4章 大物招聘
第5章 スーパーボーナス
第6章 迷走するソフトバンク
第7章 営業の軍団
第8章 iPhone
第9章 営業の裏の顔「光通信」
第10章 iPadは「革命」か
第11章 孫正義は勝ったのか

|

« 2011年9月 | トップページ | 2011年11月 »