2011.10.02

▽『孫正義が語らない ソフトバンクの深層』

菊池雅志『孫正義が語らない ソフトバンクの深層』(光文社)

本書はジャーナリストの菊池雅志が、ソフトバンクのブロードバンド事業と携帯電話事業の舞台裏を描いたものである。

ソフトバンクを描いたビジネス書となれば、普通は、孫正義が中心となるところだが、菊池は、孫の周辺でソフトバンクを支えてきた面々にフォーカスを当てていて、これまで明らかにされていなかった事実も掘り起こされており興味深い。

たとえばイギリスのボーダフォンが日本法人を売りたがっている、という噂は日本国内では、ずっと流れていたものの、英ボーダフォンがソフトバンクに明確な意思表示をしたのは2005年12月末のことであった。また買収価格をつり上げるために、ボーダフォン側からリークがあったこと、明らかに「数千億円高い」(p.59)価格で買収させられたこと、などが率直に語られている。

本書が発行されたのが、2010年12月と、ほぼ一年前であり、ソフトバンクが独占販売権を獲得したiPhoneの爆発ヒットにより絶好調ともいえる時期であった。しかし、最近の報道によると、iPhoneをライバルのauが発売される可能性も浮上しており、ソフトバンクの独走状態がいつまで続くのかわからない。そんな時期だからこそ、あえて読んでみることをお薦めします。

[目次]
第1章 尾張の桃太郎
第2章 Yahoo!BB
第3章 ボーダフォン買収
第4章 大物招聘
第5章 スーパーボーナス
第6章 迷走するソフトバンク
第7章 営業の軍団
第8章 iPhone
第9章 営業の裏の顔「光通信」
第10章 iPadは「革命」か
第11章 孫正義は勝ったのか


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