2011.11.13

▽建築家ムッソリーニ

パオロ・ニコローゾ『建築家ムッソリーニ―独裁者が夢見たファシズムの都市』(桑木野幸司訳、白水社)

イタリアのベルルスコーニ首相が引退したのを記念して……というわけではありませんが(笑)。

イタリアの独裁者ムッソリーニは、公共建築に莫大な投資を行ったそうです。1920年代、1930年代には、おびただしい量の公共建築や都市計画が実行に移されていったそうですが、それは、ヒトラー時代のドイツをしのぐものであり、他に類例のない規模の投資だったとのこと。

では、その狙いはなんだったか? といえば、イタリアの大衆をファシズムへと強化していくための道具として建築を使ったのだそうです。

《明らかに、当時のイタリアでは、建築と政治のあいだに、強固な同盟関係が結ばれていた。建築は政治の道具となったのだ。建築を通じて、権力は、国民の同意を取りつけてゆく。》(p.10)

独裁者ムッソリーニを通じて、政治と建築の結びつきを解き明かすユニークな一冊です。


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