2011.11.07

▽少年ジャンプと資本主義

三ツ谷誠 『「少年ジャンプ」資本主義』(NTT出版)

前回のエントリーでは、少年サンデーと少年マガジンの創刊時について書かれたものを紹介しました。

▽『サンデーとマガジン』――出版界のたそがれ
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2011/11/post-b448.html

『サンデーとマガジン』の第8章「しのびよる黒い影」では、先行する二誌を追い上げる『少年ジャンプ』にも触れられています。

本書『「少年ジャンプ」資本主義』は、少年ジャンプの人気漫画の変遷を、日本の資本主義の発展段階を結びつけて解き明かす、というやや無理のある(笑)テーマに挑戦しています。

本書で紹介されている漫画は、本宮ひろ志の『男一匹ガキ大将』に始まり、『アストロ球団』、『リングにかけろ』、『キン肉マン』、『ドラゴンボール』、『ONE PIECE』などなど。

ある作品が人気を博した事実を、その時々の世相と結びつけ過ぎるのもどうかと思いますが、人気漫画の移り変わりと時代背景をおおざっぱに押さえられるという点では、そこそこ面白く読めますね。

[目次]
巻頭カラー(序文にかえて)「ギャラクテカマグナム」

第1章 『男一匹ガキ大将』の残したもの
 初期の『男一匹ガキ大将』――西海編と水戸のおばばが意味するもの
 高度経済成長がもたらしたものと霊峰富士の決闘
 その後の『男一匹ガキ大将』と万吉が教えてくれたもの

第2章 『アストロ球団』 宿命で結ばれた仲間たち
 永井豪と七〇年代前半、輝く名作群
 『アストロ球団』――宿命の仲間たち
 七〇年代の『少年ジャンプ』

第3章 バブルとその崩壊 八〇年代・九〇年代と『少年ジャンプ』
 『リングにかけろ』と『キン肉マン』――バトルマンガ構造の完成
 『キャプテン翼』――スポーツと資本主義の関係
 『北斗の拳』――求められる神話、求められる王の世界
 『ドラゴンボール』――ジャンプ最高傑作の誕生
 『ドラゴンボール』の世界――神龍と株式会社、無邪気さと資本
 鳥山明と本宮ひろ志

第4章 ゼロ年代のジャンプ 『ONE PIECE』新しい連帯のカタチ
 『ジョジョの奇妙な冒険』――ディオとプッチ神父までの距離(資本主義の成熟)
 『ONE PIECE』――自由な連帯と資本主義の希望 アラバスタ編を中心に
 『ONE PIECE』その二――〈帝国〉と対峙するための連帯 エニエス・ロビー編を中心に
 「少年ジャンプ」資本主義――自由であるための闘争

次号予告(あとがきとして)


|

書評2011年」カテゴリの記事