2011.11.06

▽有名建築のその後

日経アーキテクチュア 『有名建築その後』(日経BP社)

またまた日経アーキテクチュアの渋いムックを発見(2009年発売)。これは、日経アーキテクチュアに掲載された、日本を代表する有名建築に関する20の記事の採録がメインコンテンツです。

また、冒頭には、ここ数年の間に話題となった4つの建築物の記事も掲載されています。最近の話題に絡めていうと、大阪府知事と大阪市長のダブル選挙の勝者が支配することになる、大阪府庁舎の歴史的経緯も興味深い。

1926年に竣工した府庁舎は、老朽化のため建て替えを決定。バブルさなかに行われた1989年のコンペでは、黒川紀章の建て替え案が採用されました。

しかし、新別館の南館と北館が完成したところで、大阪府の財政悪化により、建て替えが凍結。2008年になって、「耐震改修」、「建て替え」、「大阪WTC移転」の三案が検討された。橋下知事は、「大阪WTC移転」案を推したものの、WTCの耐震性能に疑問が投げかけられたこともあって、移転案は否決され、現在はふたたび「耐震改修」が検討されている……。

一方、1991年に完成した東京都庁舎は、丹下健三の設計によるもの。完成後二十年近くたち、漏水や空調設備の故障などが多発しているとのこと。

西も東もいろいろと大変なようです。

[参考]
▽『危ないデザイン』――あの事件の原因を探る
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2011/07/post-3676.html
▽『甦る11棟のマンション―阪神大震災・再生への苦闘の記録』
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2011/03/11-8373.html

[目次]
【第1部】巻頭インタビュー
-------建築は人々の「記憶の器」
藤森 照信 東京大学 生産技術研究所 教授

【第2部】「今」を切り取る有名建築
-------丸の内の保存活劇と東西庁舎の改修騒動
東京駅丸の内駅舎/東京中央郵便局/東京都庁舎/大阪府庁舎本館

【第3部】「有名建築その後」復刻20選
-------現状の姿とともに建物が刻んだ時を振り返る
<文化・会議施設>
国立西洋美術館本館
神奈川県立近代美術館
アートプラザ(旧・大分県立大分図書館)
国立国会図書館
神奈川県立音楽堂
国立京都国際会館

<スポーツ施設>
国立代々木競技場
東京ドーム

<庁舎・事務所>
名護市庁舎
目黒区総合庁舎(旧・千代田生命本社ビル)
新宿三井ビルディング

<商業施設>
読売会館
ソニービル
キリンプラザ大阪

<住宅>
中銀カプセルタワービル
スカイハウス

<学校・教育施設>
甲子園会館(旧・甲子園ホテル)
名古屋大学豊田講堂

<そのほか>
世界平和記念聖堂
東京タワー

【コラム】あの有名建築の「生みの親」は?
前川 国男/磯崎 新/丹下 健三/村野 藤吾/黒川 紀章/菊竹 清訓


|

書評2011年」カテゴリの記事