2011.11.27

▽『トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか』

『トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか』(山と渓谷社)

2009年7月、北海道大雪山系のトムラウシ山で、18人の登山パーティーが暴風雨に遭遇し、ガイドも含め8人が低体温症で凍死するという夏山登山史上最悪の遭難事故が起きた。旅行会社の企画した登山ツアーということもあり、凍死したツアー客はウインドブレーカーなどの軽装だった、と報じられた。

しかし、実際にパーティー参加者に取材した本書によると、参加者の多くは、山登りの経験も豊富で、「参加者の装備にこれといった手落ちは見られなかった」(p.65)という。つまり、この事故は登山初心者の遭難という単純な事故ではなく、その原因は、もっと深いところにあったのではないか。本書が書かれた意図はその点を明らかにすることにある。

犠牲者のご冥福をお祈りするとともに、本書が、同じような事故を繰り返さないための教訓になることを願ってやみません。


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