2011.11.06

▽『サンデーとマガジン』――出版界のたそがれ

大野茂 『サンデーとマガジン 創刊と死闘の15年』(光文社新書)

本書は、週刊少年誌の『週刊サンデー』と『週刊マガジン』の創刊から15年くらいまでの期間を、サンデーとマガジンの両編集部間の死闘という視点から描いたものです。

創刊時の裏話も多く、いろいろとなかなか興味深いのですが……、この雰囲気はどこかで味わったことがあるなあ……、と考えると……そうです、あの『プロジェクトX』によく似ています。

NHKで2000年から2005年まで放映されたプロジェクトXは、日本が坂の上の雲をめざして駆け上がっていた昭和の頃の、主に製造業の現場で働いていた名も無き人々にフォーカスを当てた懐古趣味の強い番組でした。そして、それは、日本の製造業の低迷と裏腹の関係にあったといえます。

そして――。

日本の出版界を支えてきた少年漫画誌の裏舞台が、本書のように、ある種のノスタルジーとともに語られるようになったのは、出版界のたそがれと軌を一にしているのではないでしょうか、と思ってしまいます……。


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