2011.11.13

▽小沢一郎と農協との戦いとは?

浅川芳裕 『日本の農業が必ず復活する45の理由』(文藝春秋)

さて、TPP参加騒動も一段落ついたところで、日本の農業と政治との関わりを。

『日本の農業が必ず復活する45の理由』の著者は、農業専門誌の副編集長。本書は、日本の農業の実態をデータをもとに詳述しており、日本の農業は、われわれがもっているイメージよりもずっと力強いものだということがわかります。

さて、私の関心は、政治と農業。もっと言えば、小沢一郎と農協との戦い。では、農協とは何かと言えば、ずばり「自民党の集票マシーン」でした。

《自民党は農協に補助金を流す。その見返りに、農協は農家と職員の票を集めてきます。職員総数約25万人、農家票正組合員数480万人、准組合員数460万人。親類縁者を含めれば、1000万票を超えるような大票田になります。》(pp.186-187)

さらに、一票の格差によって地方の票は2倍、3倍になるため農協票は、政治的にも大きな勢力となります。これを潰すために、2007年の参院選の際に民主党の小沢一郎が編み出した戦略が、日米FTAを締結する一方で、農家への個別所得補償をバラ巻いて農協を骨抜きにするという作戦だった、と著者は指摘します。

そして、2009年の衆院選で勝利した民主党は、さらに、農協を経由して分配される農業土木予算を削減することで、ぎりぎりと農協を締め上げていきます。

さて、この死闘の真の勝者はだれだったか? それは、本書で確認してくださいね。


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