2011.12.14

▽グッドセラーを生み出す力とは……『書店ポップ術』

梅原潤一『書店ポップ術―グッドセラーはこうして生まれる』(試論社)

梅原潤一『書店ポップ術 グッドセラー死闘篇』(試論社)

前回のエントリーでは、《紙の出版事業は、返本リスクを「広告宣伝費」とみなしうる、出版物の広告宣伝事業》と定義してみました。

▽誰でも電子書籍は作れるが……
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2011/12/post-9176.html

そして、紙の本には、売ろうとする力も働きます。それは、出版社の負担する広告宣伝費とは別の力……、そう、小売業者、つまり書店員の本を売りたいという気持ちが、さらに、本を売れゆきを後押しすることになります。これが、電子書籍にはまだまだ欠けているもの、ということが言えます。

『書店ポップ術』の二冊は、有隣堂のマネージャーが「面白い」と感じた本につけてきた手書きの店頭広告「ポップ」――「購買時点広告」と呼ぶそうです――を集めたもの。

《自分が「面白い」と思う作品をポップで仕掛けて、書店のお客様に「面白そう」と手にとってもらい、その結果、それが売れてくれればすごく嬉しい。》(p.186)

こういう売り手の力を――もちろん、「嬉しい」だけではなく、営業上の利益も含めて――電子書籍は取り込むことができるかどうかが重要な課題になってくると思います。


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