2011.12.05

▽『神と悪魔の薬サリドマイド』

トレント・ステフェンxロック・ブリンナー『神と悪魔の薬サリドマイド』(本間徳子訳、日経BP社)

1950年代に睡眠薬として発売されたサリドマイドは、世界的な薬禍をもたらした「悪魔の薬」だった。本書の前半は、薬害を引き起こした製薬会社と、その責任を認めさせようとする被害者の家族や医者やジャーナリズムとの闘いに紙幅が費やされている。

サリドマイドは、いったんは薬害の歴史の中に押し込まれたかのように思われた。しかし、この「悪魔の薬」は、ハンセン症やエイズに関わる病気をはじめ、多くの病気に効く「神の薬」として甦ったという。

サリドマイドの薬禍のメカニズムをつきとめた医師トレント・ステフェンと、歴史家ロック・ブリンナーによる迫真のドキュメントである。


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