2012.01.25

▽『日本のソブリンリスク』

土屋剛俊・森田長太郎『日本のソブリンリスク―国債デフォルトリスクと投資戦略』(東洋経済新報社)

消費税の増税問題にからんで、日本の財政に関する懸念は日々強まっています。

本書は、証券会社のアナリストとステラジストによる日本のソブリン・リスク、つまり、日本国債(JGB=Japanese Governemnt Bond)の破綻可能性に関する解説書です。

書かれていることはオーソドックスな内容ですが、十年以上前から破綻する懸念があると言われている日本国債が、それでも、なぜ買い続けられ、相対的に、割高=低金利になっているのか? についての説明は興味深い。

まず、日本の機関投資家にとって資産運用とは融資が本業であり、債券投資は副業である。副業である債券投資には、経営資源を投入したいと考えず、その一方で、リスクをとりたくない。そのために、高い格付けが維持されている日本国債が投資先に選ばれ、割高な状態が続いている、という。

要するに、機関投資家ですら、何も考えずに惰性で日本国債を買い続けている、ということになるわけです……。

[目次]
第1章 ソブリンリスクの論点整理
第2章 未曾有の領域に入ったJGB運用の世界
第3章 日本のソブリンリスクについて考える
第4章 日本のソブリンリスクの将来
第5章 信用リスクと投資運用戦略【基本編】
第6章 信用リスクと投資運用戦略【応用編】


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