2012.01.13

▽『「朝日」ともあろうものが。』をあらためて読んでみた

だ~いぶ前に読んだ『「朝日」ともあろうものが。』(烏賀陽弘道)をあらためて読みふけってしまいました(本書は2005年10月刊行)。

著者は、朝日新聞の記者だったのですが、2003年に退職。その時に書いた記事( http://ugaya.com/column/taisha_index.html )はネットでも大きな話題になりました。

その後、フリーになった著者は、オリコンによるSLAPP訴訟に巻き込まれたりします。

[参考]▽『俺たち訴えられました!---SLAPP裁判との闘い』
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2010/03/---slapp-a9c7.html

また、本書では、著者がリクルート事件の取材に関わった話も出てくるのですが、その時の著者は、『ドキュメント リクルート報道』でも伺い知ることができます。

[参考]▽リクルート報道の再検証
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2009/11/post-e240.html

さて、本書が書かれた2003年~2005年頃というと、マスコミにも不況の波が押し寄せてきた時期。それでも、新聞社の無駄遣いの代名詞とも言えるタクシー・ハイヤー代については、

《ぼくが退社する前後に聞いた話では、朝日新聞社全体のハイヤー・タクシー代一日千二百万円だそうである。一ヵ月ではない。一日、である。》(p.189)

これ以降もずっと新聞社の売上は下がっていて、朝日新聞社ですら希望退職が行われるようになっているので、こうした無駄遣いは、ずっと切り詰められているのだろうと思います。
[参考]▽テレビ局衰退の記録――『だからテレビに嫌われる』
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2011/11/post-9f9e.html

さて、本書では、メディアの「アジェンダ・セッティング」( agenda setting )について述べた部分があります。

《「今、何が問題なのか」「何を議論すべきなのか」「何を知るべきなのか」というテーマ(アジェンダ)を見つけて社会に提示すること。ハルバースタムは、それこそがジャーナリストの重要な使命のひとつだと言った。》(p.116)

そう。その通り。

ハルバースタムの言う通りだとは思います。

しかし、このアジェンダ・セッティングの機能ですら、はてなブックマーク、twitterのリツィート、facebookのいいね! などのいわゆるソーシャル・ネットワーク・サービスにとってかわられつつあるのではないか、という気もします。

そこを従来のジャーナリストはどう乗り越えるか? というアジェンダがセッティングされるべきなのかもしれませんね(笑)。


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