2012.01.05

▽『私は薬に殺される』

福田実『私は薬に殺される』(幻冬舎)

バリバリのビジネスマンとして働いていた著者は、1996年末、高脂血症と診断され、医者の薦めで「ベザトール」と「メバロチン」という二つの高脂血症治療薬を服用するようになった。

しかし、これが「横紋筋融解症」という副作用をもたらし、体全体の筋力が落ちるという症状が現れるようになった。

著者は病院で検査を繰り返すが、どこにいっても「異常なし」の診断で、むしろ「心因性ではないか」と疑われる。

いくつかの病院を転々とした後、やはり「横紋筋融解症である」と診断した医者の協力を得て、病院や製薬会社や国を薬害として訴える……というところで、2003年に発売された本書は終わっている。

専門知識の無いものが読むと、著者が正しいのか、医者が正しいのかが判然としない。現在も裁判は進行中であるが、著者のサイト( http://www.geocities.jp/fukuda_minoru_1963/index.html )によると病院とは和解、国との裁判は、一審、控訴審とも勝訴、製薬会社との訴訟は全面敗訴という。

ただ、著者のいうように、高脂血症のような生活習慣病は、薬にたよらず、生活の改善や運動でなおした方がよいのだろう。


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