2012.01.07

▽『原発社会からの離脱』

宮台真司x飯田哲也『原発社会からの離脱――自然エネルギーと共同体自治に向けて』(講談社現代新書)

社会学者の宮台真司と自然エネルギー政策研究の第一人者である飯田哲也の対談本。

もともと飯田は原子核工学を専攻し、神戸製鋼で放射性廃棄物処理の研究に携わった。福島第一原発内で使われていた中性子遮蔽材は飯田の開発したものだという。

そして、飯田は神戸製鋼から電力中央研究所に出向するが、

《そこでじっと議論を聞いていると御用学者の名誉教授たちがまるで勉強していないことに気づきました。IAEA(国際原子力機関)のルールを日本に取り入れるという仕事だったのですが、みんな好き勝手なことを言ってるだけで、そもそも誰も原典を読んでいない。》(p.69)

こうした体験を通じて、日本の原子力ムラのありように疑問を抱いた飯田は、自然エネルギーの研究に舵を切る。

両者の主張に賛同しない方でも、日本の電力行政の歴史と、その社会的な背景を理解するには役に立つだろう。

[目次]
1章──それでも日本人は原発を選んだ
2章──変わらない社会、変わる現実
3章──80年代のニッポン「原子力ムラ」探訪
4章──欧州の自然エネルギー事情
5章──2000年と2004年と政権交代後に何が起こったか
6章──自然エネルギーと「共同体自治」
7章──すでにはじまっている「実践」


|

書評2012年」カテゴリの記事