2012.01.07

▽『捏造と盗作』――米ジャーナリズムに何を学ぶか

高浜賛『捏造と盗作―米ジャーナリズムに何を学ぶか』(潮ライブラリー)

アメリカでは、ジャーナリストに求められる規律は、とても厳しいものがある。しかし、それでも多くのメディアで、捏造や盗作が明るみになる。

それは個人的な資質によるものか、あるいは、組織の問題か、それとも産業としてのジャーナリズムが衰退に向かいつつあることの現れなのか?

この問いには容易に答えは出すことはできませんが、アメリカのジャーナリズムが、この問題にどのように取り組んできたのかについては、本書はくわかりやすくまとめています。

また本書に登場する捏造や盗作は下記エントリーにまとめてありますので、ご覧下さい。

[参考]
米ジャーナリズムにおける盗作・捏造事件簿――『捏造と盗作』より
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/blog/2012/01/post-8e91.html

[目次]
第1章 『ニューヨーク・タイムズ』とブレア捏造事件
 捏造事件の経緯
 握りつぶされていた捏造疑惑
 黒人逆差別待遇は受けなかったのかとの疑惑
 ジェイソン・ブレアの素性と生い立ち
 退社後に出した回想録
 新設された「パブリック・エディター」

第2章 もう一つの盗作疑惑事件
 助手のメモを丸写ししたピュリッツァー賞受賞記者
 リック・ブラッグは南部の英雄的存在
 フリーランサーの取材協力をどう扱うべきか

第3章 「ジミーの世界」虚報事件
 『ワシントン・ポスト』を失墜させた美貌の黒人記者
 事件はどうして起こったのか
 その後、彼女はどうしたのか
 黒人ジャーナリストであるということ
 相次ぐ捏造事件で『ワシントン・ポスト』も新たなガイドライン設定

第4章 『USAトゥディ』盗作容疑事件
 特ダネを送りつづけた海外特派員
 『USAトゥディ』、ついに屈辱の謝罪特集
 後を絶たない捏造・盗作記者
 捏造・盗作記者は今も昔も

第5章 アメリカ・メディアNOW
 インターネット・ゴシップ屋「ドゥルージ・リポート」
 「ケリー候補不倫疑惑報道」の顛末
 対立する保守メディアとリベラル・メディア
 消滅したメディア監視雑誌
 『ロサンゼルス・タイムズ』の知事選報道の是非
 映画になった『ニュー・リパブリック』の捏造記者

第6章 戦時下の米メディア
 『ニューヨーク・タイムズ』の大量破壊兵器報道
 「戦時下のメディア」シンポジウム

資料編
 『ワシントン・ポスト』調査報告書抄訳
 参考・引用文献

あとがき―米ジャーナリズムから何を学ぶか


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