2012.01.27

▽ゴジラ音楽と緊急地震速報

筒井信介『ゴジラ音楽と緊急地震速報』(伊福部達監修、ヤマハミュージックメディア)

チャランチャラン 緊急地震速報です――。

突然、テレビから流れてくる、このチャイムは、東日本大震災の際、「ゴジラのテーマからつくられたらしい」というまことしやかな噂が流れました。

本書によると、この噂は、当たらずとも遠からず、ということのようです。なぜかというと、ゴジラのテーマ曲を作曲した伊福部昭が作曲した交響曲で使われた和音の部分をもとに、昭の甥で福祉工学を専門とする伊福部達東大教授によって作曲されたもの、というのが事実とのこと。

《なぜ伊福部教授に緊急地震速報チャイムの依頼が来たのかというと、この音は健聴者はもちろん、できるだけ多くの聴覚障害者や加齢性難聴者(耳の遠くなった高齢者)の注意も惹くように作る必要があった。そこで、教授の専門が“福祉工学”という聴覚障害や視覚障害に関する学問であることから、白羽の矢がたったのだ。》(p.5)

「緊急地震速報」に秘められた謎が明らかになります。

[目次]
プロローグ 東日本大震災と緊急地震速報チャイム
第1章 ゴジラ音楽と映像音楽四原則
第2章 聴覚の不思議
第3章 音の福祉工学と聴覚の世界
第4章 伊福部達と蝋管再生プロジェクト
第5章 チャイム音の製作―課題と検証
第6章 福祉工学が秘める可能性
エピローグ チャイム音製作の三原則


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