2012.02.03

▽『タブーの正体!』――マスコミが「あのこと」に触れない理由

川端幹人『タブーの正体! マスコミが「あのこと」に触れない理由 』(ちくま新書)

《ある事実の報道を「タブーにふれるから」と封じ込めた当事者が、なぜそれがタブーになっているのかを知らないという事態まで起きている。》(p.25)

著者は2004年に休刊した『噂の眞相』の副編集長をつとめていた。2000年に同編集部が右翼によって襲撃された事件の際には、肋骨を骨折させられ、これがトラウマとなったという。

同誌休刊後に、フリーになった著者は、さまざまなメディアで仕事をするようになったが、

《そこに広がっていたのは、かつて想像していた以上に「書けないこと」だらけの世界だった。》(pp.14-15)

本書は著者の体験から導き出された数々のタブーが紹介されている。それは、皇室から、政治家、原発、そして、芸能まで多岐にわたる。

[目次]
序章 メディアにおけるタブーとは何か

第1章 暴力の恐怖―皇室、宗教タブーの構造と同和タブーへの過剰対応
 私が直面した右翼の暴力
 皇室タブーを生み出す右翼への恐怖
 皇室タブーからナショナリズム・タブーへ
 宗教タブーは「信教の自由」が原因ではない
 同和タブーに隠された過剰恐怖の構造
 同和団体と権力に左右される差別の基準)

第2章 権力の恐怖―今も存在する政治家、官僚タブー
 政治権力がタブーになる時
 メディアが検察の不正を批判しない理由
 愛人報道、裏金問題で検察タブーはどうなったか
 再強化される警察・財務省タブー

第3章 経済の恐怖―特定企業や芸能人がタブーとなるメカニズム
 ユダヤ・タブーを作り出した広告引き上げの恐怖
 タブー企業と非タブー企業を分かつもの
 原発タブーを作り出した電力会社の金
 電通という、もっともアンタッチャブルな存在
 ゴシップを報道される芸能人とされない芸能人
 芸能プロダクションによるメディア支配
 暴力、権力の支配から経済の支配へ

第4章 メディアはなぜ、恐怖に屈するのか


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