2012.02.06

▽七十歳死亡法案、可決!?

垣谷美雨『七十歳死亡法案、可決』(幻冬舎)

えー、本書は、『七十歳死亡法案、可決』というタイトルの近未来小説です(笑)。いつか、こういうタイトルの本が出るとは思っていましたが……。

2020年に可決された「七十歳死亡法案」により、皇族以外の日本人は七十歳の誕生日から30日以内に死ななければならなくなった。高齢化による国家財政の行き詰まりを解消するためで、施行初年度の死亡予定者数は、すでに七十歳を超えている者も含めるために約2200万人に達し、次年度以降も毎年150万人前後で推移するという。

同法施行二年前のある日、ごくありふれた家庭である「宝田家」にもじょじょに変化が起こり始めていた。寝たきりのおばあちゃん、その世話をする嫁の家出、早期退職して旅に出てしまう夫、家を出たきりの娘、そして、引きこもりの息子が織りなす悲喜劇は、ホームドラマ的な味わいもあって、エンターテイメントとしてもそれなりに楽しめます。

こんな本けしからん! と怒る前に、ある種のブラックユーモアとして、思考実験的に読まれるべきだと思います。

[目次]
第一章 早く死んでほしい
第二章 家族ってなんなの?
第三童 出口なし
第四章 能天気な男ども
第五章 生きててどうもすみません
第六章 立ち向かう明日


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