2012.02.10

▽震災死――生き証人たちの真実の告白

吉田典史『震災死 生き証人たちの真実の告白』(ダイヤモンド社)

《被災地を回って痛感するのは、この国は外国などからの攻撃ではなく、内部から崩壊していくのではないかということ。人と人とが支え合う意識が、想像できない速さで壊れている。》(p.221)

ジャーナリストの吉田典史は、東日本大震災の直後から被災地に二十数回も足を運び、生き残った人々、そして、死と直面した人々の生の証言を記録した。それらは、ダイヤモンド・オンラインの連載企画として発表された。

「生き証人」が語る真実の記録と教訓~大震災で「生と死」を見つめて
http://diamond.jp/category/s-livingwitness

本書は、それらにさらに大幅に加筆修正して発表されたもので、取材の対象は、死体を検死した医師たちから、生き残った遺族、捜索に携わった人々、そして、報道機関と多岐にわたる。

東日本大震災は、地震や津波の被害よりも、原発事故により大きな関心が集まってしまったが、本書は、風化させてはならない重い事実の記録である。

[主な目次]
第1章 医師がみた「大震災の爪痕」
第2章 遺族は「家族の死」をどうとらえたか
第3章 捜索者が「津波の現場」で感じたこと
第4章 メディアは「死」をいかに報じたか
第5章 なぜ、ここまで死者が増えたのか


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