2012.02.17

▽大鹿靖明『メルトダウン』――福島第一原発事故ドキュメントの決定版

大鹿靖明『メルトダウン ドキュメント福島第一原発事故』(講談社)

福島第一原発事故のドキュメントとしては決定版と言って差し支えないだろう。

東京電力の会長や社長は事故発生時どこでなにをしていたのか? 全電源喪失した際に、電源車をかき集めたものの、それがなぜ使えなかったのか? 東電の撤退発言の真相は? などなど、原発事故発生当時、断片的に報道されてきたことが、綿密に検証された上で、時系列に記述されている。

前半は事故処理の内幕を描いているが、途中からは、脱原発を推進した菅首相をめぐる暗闘へとテーマが移っている。

主要な情報源となったのが、当時の政権中枢にいた人物たちということもあり、やや菅首相より、反東電、反経産省のきらいはあるものの、その点を割り引いても、福島原発事故ドキュメントの決定版と言っても過言ではないだろう。


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