2012.02.24

▽「死刑」のロードムービー

森達也『死刑 人は人を殺せる。でも人は、人を救いたいとも思う』(朝日出版社)

オウム真理教の信者を撮ったドキュメンタリー『A』などの制作者として知られる森達也が「死刑」というテーマに取り組んだ「ロードムービー」のような著作。

オウム真理教の幹部のほとんどが死刑判決を受けていることから、必然的に「死刑」について考えざるをえなくなったという。

しかし、「ロードムービー」という割には、死刑制度の周りをグルグルと回っているだけで、死刑の本質にはたどり着けないまま終わる。

その理由の一つは、日本の法務省は「死刑」に関する情報公開を渋っていることがあげられる。

また、世界的には死刑廃止に踏み切った国が多い中、日本では、死刑廃止の声は必ずしも大きくなっていない。死刑廃止を唱える政治家も多くなく、その理由は票につながらないからだという。

[目次]
プロローグ
第一章 迷宮への入り口
第二章 隠される理由
第三章 軋むシステム
第四章 元死刑囚が訴えること
第五章 最期に触れる
第六章 償えない罪
エピローグ


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