2012.02.21

▽それでもボクはやってない

矢田部孝治+あつ子『お父さんはやってない』(太田出版)

《私には返事をする暇さえなく、駅員と女だけで、さっさと駅事務所から出て行ってしまった。私は取り残されたようになり、しょうがないので開けっ放しのドアをきっちりと閉めて部屋を出た。今でもここで逃げてしまえば良かったと後悔している。》(p.14)

本書『お父さんはやってない』は、痴漢冤罪の犯人とされた会社員が、無罪を勝ち取るまでを描いたノンフィクション。共著者は、被害者の奥さんであり、家族ぐるみの闘いだったことがわかります。

ハッピーエンドとなることを知っているために、読み過ごせるようなくだりも、本人の立場になってみれば、とてもツライ体験だっであろうことが伺えます。

周防正行監督の映画『それでもボクはやってない』のモデルとなった事件の一つだそうです。


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