2012.03.15

▽ボーカロイド現象

『ボーカロイド現象』(PHP研究所)

東日本大震災は、さまざまな領域に「空白」を生み出してしまったような気がします。最近になって、「あれ、こんな本が出ていたのか?」と気がつくこともしばしば。

そんな一冊が、この『ボーカロイド現象』。2007年8月の『初音ミク』登場以来、とどまるところを知らぬボカロ・ブームを概観するために、キーパーソンにインタビューを刊行。

ボカロ・ブームの一つの区切りとして、満を持して上梓されたのですが……。発売が、東日本大震災と福島原発事故の動揺もさめやらぬ2011年4月1日ということもあって、残念ながら、ちょっと埋もれてしまった感はぬぐえません……。

一年遅れですが読んでみると、ボカロに関わってきた主要な人物は、ほぼ網羅されていて決定版と言ってもよい内容です。後から振り返っても、2011年時点の記録としてはよくできていると思います。

[目次]
ボーカロイド紹介
イベント/フィギュア/ゲーム
まえがき

序章 ボーカロイド前史 音楽ビジネス基盤背景
 コンテンツ産業は真の国家戦略になりうるのか?

第一章 ボーカロイドとは
 ボーカロイドが生み出すもの
 "歌声を創る"システム 歌声合成エンジン「VOCALOID」開発秘話 剣持秀紀

第二章 現象の波及とその舞台
 ボーカロイド現象の波及
 ユーザーが主役の新時代テレビ ボーカロイド文化発祥の地「ニコニコ動画」 齋藤光二

第三章 ユーザー同士の「バトンワーク」
 ネットでセッションするバトンワーク
 "歌ってみた"アーティストのメジャー進出 舞台は"インターネット"から"お茶の間"へ 八代富士夫

第四章 立体化するキャラクター
 立体化する仮想アイドル CGデビュー
 「MikuMikuDance」作者の考えるボーカロイド文化への想いとは 樋口優
 「MikuMikuDance」による3DCG作品の祭典「MMD杯」 かんなP
 立体化する仮想アイドル フィギュア表現
 仮想アイドルを手の中に ボーカロイド立体化商品の登場 田中聡

第五章 ゲーム&ライブ
 持って歩ける初音ミク ProjectDIVA
 歌って踊るバーチャルアイドル リズムゲーム「Project DIVA」 内海洋
 会いに行ける初音ミク ミクFES'09(夏)
 セカイに降臨した電子の歌姫 軌跡のステージングの舞台裏 内海洋

第六章 音楽業界への影響
 音楽産業はボーカロイドをどう見たのか?
 ボーカロイド、夢のオリコンチャート1位獲得! 池田俊貴
 ユーザー発信のニコニコ文化 CD商品化に込められた想いは 竹内彰廣
 続く音楽不況 今だからこそレーベルに必要なこととは 村田裕作
 若者はなぜボーカロイドに惹かれるのか?
 ランキング席巻! 高まるボーカロイドカラオケ人気 小林拓人
 カラオケDAMのボーカロイド本格参入 ボカロが「カラオケ」にもたらすモノとは 松下智

終章 海外展開と今後の展望
 海外ではボーカロイドをどう見たのか?
 "キャラクターボーカル"という可能性 「初音ミク」の開発に至った意図とは クリ☆ケン
 「がくっぽいど」「Megpoid」 生みの親が語るボーカロイドの今と未来 村上昇
 VOCALOID、VOICEROID 技術の進化によって変わるセカイ 尾形友秀

VOCALOID年表
用語集
あとがき


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