2012.03.03

▽グッドモーニング、ゴジラ

樋口尚文『グッドモーニング、ゴジラ 監督本多猪四郎と撮影所の時代 』(国書刊行会)

《ゴジラと水爆を関係づける設定にしても、それはタイムリーな題材でゴジラを登場させるほんのきっかけであって、もとよりテーマをふりかざして反核の説教をしようなどとは少しも思わなかったと本多自身が筆者に語っている。》(p.188)

本書は、ゴジラの監督として知られる本多猪四郎(1993年没)の映画人としてのキャリアを概観するもので、1992年に刊行されたものを、書き換えなしに復刻したものです。

復刻版初版第1刷の発行日は「2011年6月15日」なのですが、日本人にとってゴジラのイメージとは、崩壊する建物や放射能などに深く結びついていることが、改めて思い起こされます。

[目次]グッドモーニング、ゴジラ
第一部 撮影所の時代
 『ジゴマ』の年に生まれて
 森岩雄ともうひとつの「金曜会」
 P・C・L入社と青春の蹉跌
 P・C・Lから東宝映画へ
 山本嘉次郎の「作家」性
 成瀬巳喜男の静かな抵抗
 山中貞雄と『人情紙風船』余話
 滝沢英輔と渡辺邦男のこだわり
 黒澤明、谷口千吉と助監督群像
 プロデューサー・システムと「東宝カラー」
 戦場で見た『馬』
 映画を忘れた争議の嵐

第二部 監督 本多猪四郎
 映画芸術協会と『野良犬』のころ
 デビュー作と『羅生門』
 プロデューサー・システムの再建
 円谷英二との出会い
 『ゴジラ』前夜の模索
 『ゴジラ』の光と影
 量産時代と幻の企画
 特撮との蜜月が終わる
 斜陽期の「ヒットメーカー」として
 廃墟にて
  復刊によせて──二十年後の長いあとがき
  本多猪四郎フィルモグラフィー


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