2012.03.13

▽『落合戦記』――すべてはここからはじまった

横尾弘一『落合戦記―日本一タフで優しい指揮官の独創的「采配&人心掌握術」』(ダイヤモンド社)

中日ドラゴンズの落合博満前監督といえば、ベンチの中でずっと能面のような顔で戦況を見つめている、というイメージが強いですよね。ニコリともしないで、だまってグラウンドを見ているだけ、という。

ところが、ベースボール・ジャーナリストの横尾弘一が、落合監督一年目(2004年)の全試合に帯同して書いた本書、『落合戦記』では、意外な記述に出くわしました。

《8月27日
 ……シーズン途中から、監督があまりにも笑顔を絶やさないことが注目され、テレビ中継ではベンチにいる監督の表情が映し出されることが多くなった。確かに、選手に話しかけている時はもちろん、戦況を見つめている際にも笑顔がほとんどだ。》(p.255)

あれ……。そう言われてみると、一年目の落合監督は、いつもニコニコしていたような気もします。

仏頂面をするようになったのは、選手が監督の顔色をうかがうようになってることに気がついたから、という発言もどこかで見た記憶もありますね。

とにかく、本書は、就任一年でドラゴンズを優勝に導いた苦労と栄光が詰まったスリリングな一冊です。

なかなか、こういう手間暇をかけた、しかも結果がハッピーエンドなノンフィクションはありませんよね。

[参考]
▽落合監督ご苦労様でした――『采配』
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2011/11/post-ddf4.html
▽落合博満伝説
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2010/11/post-e860.html
▽落合が語るコーチング術
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2009/01/post-c1b2.html


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