2012.03.02

▽流離譚――幕末維新を駆け抜けた奥州の安岡家

安岡章太郎『流離譚〈上〉』(新潮文庫)

安岡章太郎『流離譚〈下〉』(新潮文庫)

《そして私は咄嗟の間に憶い出した。この嘉助というのは土佐藩の参政吉田東洋を斬って天誅組に加わり、掴まって京都で打ち首になった人だが、その兄の覚之助はやはり勤王党に入って、戊辰の役の時は板垣退助の下で小軍監というのをつとめ、会津で流れ弾に当たって死んだ。》(p.11)

作家の安岡章太郎は、土佐(高知県)出身ですが、東北弁を話す親戚が一軒だけあったそうです。その家の始祖となった兄弟は、明治維新にさまざまなかたちで関わっていました。

本書は、そんな「奥州の安岡家」の記録であり、幕末維新期の「天誅組の変」や「戊辰戦争」の詳細な記録としても読めます。

来年のNHK大河ドラマは、会津が舞台になるそうですが、本作が採用されれば良かったのに、とも思います。

まあ、2010年に『龍馬伝』をやったばかりで、そんなに幕末維新期ばかりをやるわけにはいかないのはわかりますが……。


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