2012.03.26

▽伝説の「どりこの」

宮島英紀『伝説の「どりこの」 一本の飲み物が日本人を熱狂させた』(角川書店)

ひょんなことから、かつて日本で、「どりこの」という飲み物が一世を風靡したことがあった、と知りました。

そして、インターネットで、「どりこの」について検索してみると、なんと、「どりこの」について調べた本が、割と最近、出版されていたことを知りました。世の中は、不思議な力で動いているもんだ。

さて、この「どりこの」は、果糖やぶどう糖を主要成分とする滋養強壮ドリンクとして、戦前に大ヒットしたそうです。

そして、この「どりこの」を積極的に売っていたのが、大日本雄弁会講談社。そう、いまの講談社です。

出版社がなぜドリンクを? とも疑問に思うのですが、当時の講談社の野間清治社長が非常に強い思い入れをもって売っていたそうです。雑誌との連携によって、また、手軽な栄養分を補給するドリンクとして、爆発的な売れ行きを記録したそうです。

さて、その「どりこの」は、どうなったか? 戦争による物資不足から、原料となるサトウキビが入手できなくなって、生産は中止。

戦後になってから生産を再開したものの、「どりこの」の生みの親である髙橋孝太郎博士は、一切のレシピを残さなかったことから、まさに伝説の飲み物になってしまったそうです。

本書は、現存する「どりこの」を試飲したりと、「どりこの」にまつわる執念のルポになっています。

[参考]どりこの探偵局
http://blog.goo.ne.jp/gendai_premier/c/20f82de8d74bdffce9dac50be28a351b


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