2012.04.01

▽ブレア時代のイギリスとは?

山口二郎『ブレア時代のイギリス』(岩波新書)

前回のエントリーでは、『政権交代とは何だったのか』を紹介しましたが、

▽政権交代とは何だったのか?
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2012/03/post-6030.html

同じ著者が2005年に小泉自民党が勝利した郵政選挙の後に上梓したのが、本書『ブレア時代のイギリス』である。

サッチャーの推進した新自由主義の時代に万年与党だったイギリスの労働党は、トニー・ブレアが党首になった際に、党綱領から「生産手段の国有化」を削除し、「第三の道」を掲げ、「ニュー・レイバー」として生まれ変わった。

著者は、ブレア時代のイギリスの光と影を検討しつつ、「あとがきにかえて」で次のように述べていた。

《近い将来、新自由主義の矛盾が深まったときに、必ず本来の社会民主主義的政策を求める国民の声は高まるはずである。……自民党の伝統的な利益配分政治が「第一の道」、小泉流の小さな政府が「第二の道」であるとするならば、今こそ「第三の道」が日本でも必要とされているはずである。》(p.197)

日本においては、小泉流の小さな政府に対して、民主党が「第三の道」を実現してくれるだろう、という期待を込めていたのですが、結果として、この期待は大きく裏切られてしまったことになります。

これは、どうしてだろうかと考えると、日本の民主党には、社会主義を信奉しているようなグループがかなり含まれていたのではないかと思います。


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