2012.04.19

▽竜二

生江有二『竜二』(幻冬舎アウトロー文庫)

前回のエントリーで、斜陽産業としての東宝と東映の苦闘を描いたノンフィクション『仁義なき日本沈没』を紹介しましたが、

▽『仁義なき日本沈没』――東宝VS.東映の戦後サバイバル
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2012/04/post-1c5f.html

さらに、その苦境の下で自主制作映画として1983年に作られたヤクザ映画『竜二』と、それを作った人々に焦点を当てたものが本書『竜二』です。

『竜二』は、完成後に東映系列の東映セントラル(86年7月活動停止)で配給され、暴力のないひと味違うヤクザ映画としてヒットしました。しかし、主演であり脚本を書いた金子正次は、映画公開中にガンが原因で死亡し、まさに伝説の映画となってしまいました。

この映画によって川島透という映画監督も誕生しました。元の本は1987年刊行と少し古いのですが、竜二の制作を取り巻く状況や金子正次の生き様はビビッドに伝わってきます。


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