2012.04.24

▽『前へ!』――東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録

麻生幾『『前へ!――東日本大震災と戦った無名戦士たちの記録』(新潮社)

本書は、東日本大震災や福島原発事故に立ち向かった自衛隊員、機動隊隊員、消防隊隊員、そして、寸断された道路の復旧や人名救助に携わった公務員たちにフォーカスを当てたものである。

著者は、スパイもの小説の第一人者である麻生幾で綿密な取材に基づいたものであろう。描かれた方々の無私の努力には頭が下がる思いである。

ただ、本書を読み進めても、専門用語が多くて、登場人物の活躍ぶりが今ひとつイメージしにくい部分も多いので、いずれ映像化されるだろうことを期待したい。

[目次]
第一章 福島第一原発、戦士たちの知られざる戦争
 放射能という、目に見えない敵が最大の脅威だった――。
 空前の原子力災害に立ち向かった陸上自衛隊中央即応集団(CRF)、中央特殊武器防護隊(中特防)、第1ヘリコプター団はじめ、航空基地消防隊――原発に突っ込んだ戦士たちの壮絶なドラマ。

第二章 道路を啓け! 未曾有の津波被害と戦った猛者たち
 人命救助部隊を被災地に送り込むためには、迅速に道路を“啓く”ことが命綱となる。被災地を管轄する国土交通省東北地方整備局と、管内にある国道事務所や維持出張所では、大津波災害の惨状を目の当たりにしながらも、現場への前進を続けた「啓開チーム」の存在があった。知られざるプロフェッショナルたちの全貌。

第三章 省庁の壁を越え、命を救った勇者たち
 国家の中枢――内閣危機管理センターは矢継ぎ早に入る情報を吟味し、ダイナミックに動き出した。
 史上最大のオペレーションを決断した自衛隊。
 原発への決死の“一番槍”を果たした警視庁機動隊。
 阪神淡路大震災の教訓から生まれた、災害派遣医療チーム「DMAT」も始動する。一人でも多くの命を助けるために彼らは被災地に向かった!

哀悼と謝辞


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