2012.05.04

▽フリーエージェント社会の到来――「雇われない生き方」は何を変えるか

ダニエル・ピンク『フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか』(池村千秋訳、ダイヤモンド社)

最近、「ノマドワーカー」という言葉で、ふたたび注目を集めつつあるのが、ダニエル・ピンクが提唱した「フリーエージェント」。

ブロードバンド黎明期の2001年に書かれた本書ですが、決して内容は古くさく感じられません。ようやく社会インフラや、働く人々の意識が、本書に追いついてきたということでしょうか。

ところで、フリーエージェントの労働倫理について、次のようにまとめられています。

《遠い将来のご褒美のために一生働くのは、基本的には立派なことである。けれど仕事そのものもご褒美であっていいはずだ。いまやどの仕事も永遠に続くものではないし、大恐慌が訪れる可能性も大きくない。それなら、仕事を楽しんだ方がいい。自分らしくて、質の高い仕事をする。自分の仕事に責任をもつ。なにをもって成功と考えるかは自分で決める。そして、仕事が楽しくないと感じることがあれば、いまの仕事が間違っていると考えるのだ。》(p.95)

[目次]
第I部 フリーエージェント時代の幕開け
 第1章 組織人間の時代の終わり
 第2章 3300万人のフリーエージェントたち
 第3章 デジタルマルクス主義の登場
第II部 働き方の新たな常識
 第4章 新しい労働倫理
 第5章 仕事のポートフォリオと分散投資
 第6章 仕事と時間の曖昧な関係
第III部 組織に縛られない生き方
 第7章 人と人の新しい結びつき
 第8章 互恵的な利他主義
 第9章 オフィスに代わる「第三の場所」
 第10章 仲介業者、エージェント、コーチ
 第11章 「自分サイズ」のライフスタイル
第IV部 フリーエージェントを妨げるもの
 第12章 古い制度と現実のギャップ
 第13章 万年臨時社員と新しい労働運動
第V部 未来の社会はこう変わる
 第14章 リタイヤからeリタイヤへ
 第15章 テイラーメード主義の教育
 第16章 生活空間と仕事場の緩やかな融合
 第17章 個人が株式を発行する
 第18章 ジャストインタイム政治
 第19章 ビジネス、キャリア、コミュニティーの未来像


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