2012.05.01

▽漫画家による漫画オンライン販売の挑戦――『漫画貧乏』

佐藤秀峰『漫画貧乏』(PHP研究所)

『海猿』や『ブラックジャックによろしく』で知られる漫画家の佐藤秀峰が、出版社との軋轢や、自ら漫画のオンライン販売に乗り出した経緯を綴っている。

漫画 on Web
http://mangaonweb.com/welcome.do

本書の内容は、すでに“漫画 on Web”で公開されたものと、ほぼ同じである。

2009年にウェブ上で「漫画貧乏」が公開された時点で、すでに大きな話題になった記憶もあるが、ふたたび紙の書籍で販売されたのはなぜだろうか?

おそらくウェブの読者と、紙の読者とは、異なるセグメントにある、という判断が、出版社にはあったのではないのだろうか?

いずれにせよ、出版不況に苦しむ出版社も、自ら漫画のオンライン販売を試みる漫画家も、ともに楽な時代ではないことは明らかだ。本書は、漫画に限らず、すべてのコンテンツ産業に共通する悩みもあぶり出しているように思える。

[目次]
プロローグ
プロフィール
10年後、漫画はあるのでしょうか?
原稿料とは、一体何なのでしょうか?
印税生活って、どんな生活でしょうか?
100万部ヒット、年商2億2000万円、さて、年収は?
100万部刷ったほうが、1億円儲かるということです。
もうね、紙と一緒に心中しようかと、思い詰めました。
ホームページを作り、そこで自分の漫画を発表して、読者の皆さんに買ってもらう。
ここ数年、僕は編集者と打ち合わせを行っていません。
出版社を介さない漫画家と読者の関係。
オンラインコミック、はっきり言って厳しいでしょう。
本は出版社の商品であって、あなたの本ではありません。
じゃあ、実際いくらかかるんだろう?
「佐藤秀峰 on Web」オープン、果たしてそれで儲かるの?
笑ってくれて構わないのですが、僕は世界を変えようと思っています。
そして「漫画 on Web」へ
エピローグ
漫画 on Webの歩き方


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