2012.06.21

▽中国の大盗賊・完全版

高島俊男『中国の大盗賊・完全版』(講談社現代新書)

著者によると、中国における王朝の交代には、さまざまなパターンがあるという。

まず、前王朝から譲りを受けて新王朝が建てられることを、「禅譲」という(漢の献帝に譲られた魏など)。また、暴力によって奪われることを、「放伐」といい、王朝の有力な武将によるもの(唐や宋)、異民族によるもの(元や清)、そして、盗賊によるもの、に区別される。

本書によると、「盗賊」の定義は、

《 一、官以外の、
 二、武装した、
 三、実力で要求を通そうとする、
 四、集団》(p.21)

という。そして、中国の王朝の多くは、この盗賊によって、奪われたものだという。

つまり、本書は、漢の劉邦、明の朱元璋、明を倒し「順」を建てたものの長続きしなかった李自成、清代に「太平天国」を建てた洪秀全、そして、中華人民共和国を建国した毛沢東の五人の「大盗賊」を描いたものである。

「完全版」とは、1989年に刊行された初版では、縮小されていた毛沢東の項の分量を、当初予定に復元したという意味らしい。

なるほど、こういう見方もできるのか、と中国に対する新しい視点も与えてくれます。

[目次]
序章 「盗賊」とはどういうものか
第1章 元祖盗賊皇帝―陳勝・劉邦
第2章 玉座に登った乞食坊主―朱元璋
第3章 人気は抜群われらの闖王―李自成
第4章 十字架かついだ落第書生―洪秀全
第5章 これぞキワメツケ最後の盗賊皇帝―毛沢東


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