2012.06.15

▽グーグル――追われる立場から追う立場へ

スティーブン・レヴィ『グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ』(仲達志、池村千秋訳、阪急コミュニケーションズ)

追われる立場から、追う立場へ――。

十年一昔とはいうものの、その十年の間にネット企業の頂点に躍り出て、さらに、後進のフェースブックを追う立場へと転落したグーグル。

そのグーグルの内部に潜り込んで、グーグルの秘密を描いたのが本書である。

グーグルといえば、検索しようとする単語に関連すると思われる単語を自動的に表示する機能があるが、これが個人のプライバシーに関わる大きな問題を引き起こしている。

《こうした不満やクレームの処理を任されたのは、2000年にグーグルに入社し、小さなマーケティング部門に所属するデニーズ・グリフィンだ。グーグルに掘り起こされた情報がどのように人々の感情を傷つけ、ときには実害を及ぼしているかに関する話を聞いて、彼女はしばしば胸が張り裂けるような思いをした。》(p.269)

一見、鉄面皮のようなグーグルだが、その向こう側には、こうした生の感情を持つ人間が存在することが伺える。

本書を読むと、グーグルのイメージが少しかわることは間違いない。

[目次]
プロローグ Googleを「検索」する
01章 グーグルが定義する世界―ある検索エンジンの半生
02章 グーグル経済学―莫大な収益を生み出す「方程式」とは
03章 邪悪になるな―グーグルはどのように企業文化を築いたのか
04章 グーグルのクラウドビジネス―全世界に存在するあらゆる文書を保存する
05章 未知の世界への挑戦―グーグルフォンとグーグルTV
06章 谷歌―中国でぶつかった道徳上のジレンマ
07章 グーグルの政治学―グーグルにとっていいことは、人々にとっていいことか
エピローグ 追われる立場から追う立場へ


|

書評2012年」カテゴリの記事