2012.06.23

▽福島原発の真実――最高幹部の独白

今西憲之+週刊朝日取材班『福島原発の真実 最高幹部の独白』(朝日新聞出版)

《2号機の内視鏡の映像を見たゼネコンの人は、「錆などの状況から、燃料棒を取り出す10年後まで建屋は大丈夫なのか疑問だ」と言ってました。》(p.200)

「フクイチ」こと、福島第一原子力発電所――。

そのフクイチの「最高幹部」に、週刊朝日とジャーナリストの今西憲之が迫ったのが本書である。もちろん「最高幹部」の素性はまったく明らかにされていない。

しかし、今西が「最高幹部」の手引きでフクイチに潜入して撮った写真は、週刊朝日に掲載され、原発事故のすさまじさを印象づけた。それは、東電が大手メディア向けに組んだ撮影ツアーで撮らされた写真とは、まったく違うものであった。

本書には、東電が隠そうとした「真実」を伝えようとする「最高幹部」の言葉であふれている――。

《本店の記者会見を見ていると、よくこんな尊大な態度ができるものだと思うこともあります。同じ東京電力の一員として、情けなく、腹立たしく、悲しい。》(p.206)


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