2012.07.14

▽『五輪ボイコット』――幻のモスクワ、28年目の証言

松瀬学『五輪ボイコット―幻のモスクワ、28年目の証言』(新潮社)

《モスクワ五輪は転機だった。
 五輪ビジネスが頭をもたげる。モスクワの不完全燃焼が、スポーツ・ビジネス大国・米国の一九八四年ロサンゼルス五輪で花開く。》(p.191)

1980年にモスクワで開催されたオリンピックに、日本代表団は不参加を決めた。

その前年、当時のソ連が行ったアフガニスタンへの侵攻に対し、西側諸国は抗議の意味をこめて、「五輪ボイコット」をしたからだ。

 当時の日本では、国威発揚の場としてのオリンピックと政治との関係が大きく議論された。

 ……という説明をきいても、まさに「歴史は遠くなりにけり」(笑)。

 ただ、ソ連は、1989年にアフガニスタンから撤退後まもなくして崩壊、また、その後のオリンピックは、より商業化が進み、むしろ政治からの独立をはたした、といえます。

 その意味でも、モスクワ五輪は大きな転機だったということができますね。


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