2012.07.05

▽ナチ戦争犯罪人を追え

ガイ・ウォルターズ『ナチ戦争犯罪人を追え』(高儀進訳、白水社)

イギリス人の小説家であり、ジャーナリストでもあるガイ・ウォルターズが、いわゆるナチ・ハンターの活動を検証したノンフィクション。

1945年にドイツが連合軍に対して降伏すると、ナチ将校の多くは、イタリアやアルゼンチンなどに逃亡した。本書では、アイヒマンなどの有名なナチ逃亡者を追い詰めるさまが、小説さながらにスリリングな筆致で描かれている。

また、本書において、いささか衝撃的なのは、ナチ・ハンターとして世界的に有名なサイモン・ウィーゼンタールの証言の多くは、虚言や誇張されたものだったということが実証されている点。

また、ウィーゼンタールの証言に基づいて、フレデリック・フォーサイスが書いた小説「オデッサ・ファイル」に登場するナチ逃亡支援組織「オデッサ」も、ほぼフィクションであったことが明らかにされている。


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