2012.08.18

▽ユリイカ総特集『平成仮面ライダー』

ユリイカ2012年9月臨時増刊号『総特集=平成仮面ライダー 『仮面ライダークウガ』から『仮面ライダーフォーゼ』、そして『仮面ライダーウィザード』へ・・・ヒーローの超克という挑戦』(青土社)

サブカルチャー評論誌ユリイカが「平成仮面ライダー」をフィーチャーした臨時増刊を出して話題になっています。

平成ライダーとは、クウガ、アギト、龍騎、555、剣、響鬼、カブト、電王、キバ、ディケイド、W、オーズ、そして、現在放送中のフォーゼ、来月から放送開始予定のウィザードの十四作。

特に、ディケイドは、それ以前の仮面ライダーに変身できるという能力から、平成ライダー全体への関心を高めることに成功し、ガンバライドという対戦式ゲームのブームに貢献してきました。

そして、《「ライダー批評」という分野をほとんど一人で作り上げた》(p.12)宇野常寛が、脚本家の井上敏樹との対談が、この十四作の世界観の違いを大きく区分しています。

《宇野 等身大の世界に立ち返ってもう一度ヒーローを成り立たせるために試行錯誤するのか、ヒーローなんていない世の中について徹底的に考えるのか、今出ているのはその2パターンなんですよね。高寺さんや塚田さんは前者で、白倉さんや井上さんは後者の方向性だと思うんです。
井上 なかなかいいことを言ってる。たぶんそうだよ。》(p.61)

白倉とは、井上とコンビを組んで、アギトや555、響鬼(30話以降)などを担当した白倉伸一郎プロデューサーであり、高寺はクウガや響鬼(29話まで)のプロデューサーだった高寺成紀(現・高寺重徳)、塚田はW、フォーゼのプロデューサー塚田秀明である。

平成ライダーは、高寺の路線と、白倉の路線のせめぎ合いの中から生まれたものであり、特に、響鬼のシリーズ途中での高寺から白倉へのプロデューサー交代は、そのことを象徴的にあらわしている。

この二人のプロデューサーの双方と仕事をした井上伸一郎角川書店社長の両者の人物評も興味深い。


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