2012.08.08

▽世にも奇妙な人体実験の歴史

トレヴァー・ノートン『世にも奇妙な人体実験の歴史』(赤根洋子訳、文藝春秋)

「世にも奇妙な人体実験」ときくと、なにやら恐ろしい本のような気もしますが、内容はいたってまじめ。でも、ちょっとユーモラス。

本書で紹介されている「人体実験」は、自分の体を使って行った「自己実験」。そう、本書に登場する科学者たちは、愛すべきマッドサイエンティストたちなのです。

では、なぜ彼らは自己実験にのめり込んでいったのかというと、それは「自説の正しさを証明するため」なのだそうです(笑)。

[目次]
第1章   淋病と梅毒の両方にかかってしまった医師 ― 性病
第2章   実験だけのつもりが中毒者に ― 麻酔
第3章   インチキ薬から夢の新薬まで ― 薬
第4章   メインディッシュは野獣の死骸 ― 食物
第5章   サナダムシを飲まされた死刑囚 ― 寄生虫
第6章   伝染病患者の黒ゲロを飲んでみたら ― 病原菌
第7章   炭疽菌をばら撒いた研究者 ― 未知の病気
第8章   人生は短く、放射能は長い ― 電磁波とX線
第9章   偏食は命取り ― ビタミン
第10章   ヒルの吸血量は戦争で流れた血よりも多い ― 血液
第11章   自分の心臓にカテーテルを通した医師 ― 心臓
第12章   爆発に身をさらし続けた博士 ― 爆弾と疥癬
第13章   ナチスドイツと闘った科学者たち ― 毒ガスと潜水艦
第14章   プランクトンで命をつないだ漂流者 ― 漂流
第15章   ジョーズに魅せられた男たち ― サメ
第16章   超高圧挑戦し続けた潜水夫 ― 深海
第17章   鳥よりも高く、早く飛べ ― 成層圏と超音速
あとがき  究極の自己犠牲精神をもった科学者たちに感謝
特別集中講義 『人体実験学特論』へようこそ  仲野 徹(大阪大学大学院教授)


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