2012.08.17

▽なんだかなァ人生

柳沢 きみお 『なんだかなァ人生』(新潮社)

「翔んだカップル」などのヒット作で知られる漫画家の柳沢きみおが「週刊新潮」でエッセイを連載していた(2010年5月から2011年4月まで)とは知りませんでした。

生い立ちから新人漫画家時代、バブル期に購入したログハウスやマンションのローン返済に苦しむ話など、赤裸々に語られています。ちなみに、この借金の返済は、「特命係長 只野仁」のテレビドラマがヒットした2009年までかかったそうです。

ちょっと興味深いのは、数年前に漫画のケータイ配信が始まった頃のくだり。出版社を通さずに、直接読者に新作を届けられ、さらに新たな収入源になるかも、と期待をよせたのですが、その夢はアッサリと打ち砕かれたそうです。

《まさに悪貨は良貨を駆逐する。変態的な漫画が読まれるだけのダークな世界になってしまい、新作の発表の場として、出版社の代わりにはなれませんでした。ひどくガックリきたものです。》(p.129)


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