2012.09.23

▽アメリカにおける調査報道の行方――『官報複合体』という書名は不釣り合い

牧野洋『官報複合体』(講談社)

『官報複合体』という書名から、日本の記者クラブの問題点をえぐった内容を想像するが、そうした内容は、前半の数章に限られていて、ちと不釣り合い。

本書の主要な内容は、日本と同じように新聞社の経営危機が叫ばれているアメリカの調査報道の現状のレポートと、その行方について考察したもの。総悲観というほどではなく、多少は、将来に希望がもてる内容となっている。

著者は違うものの、本書は、

▽小林弘人『新世紀メディア論-新聞・雑誌が死ぬ前に』
http://thelightoflondon.txt-nifty.com/book/2009/04/post-45da.html

のアンサーソングとして読むことができるかもしれない。

[目次]
序章 東日本大震災「発表報道」の大問題
第1章 内部告発は犯罪で権力は正義
第2章 リーク依存症の大新聞
第3章 権力側は匿名の不思議
第4章 官報複合体を支える記者クラブ
第5章 市民目線の報道と記者クラブの報道
第6章 消費者の守護神
第7章 調査報道vs.日本型特ダネ
第8章 調査報道の雄
第9章 新聞の救世主
第10章 ニュースの正確性
第11章 一面トップ記事の条件
第12章 ピュリツァーへの回帰


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