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2012年11月

2012.11.30

▽『東電国有化の罠』

町田徹『東電国有化の罠』(ちくま新書)

《「あの時、金融庁が(主力銀行)に『貸してやれ』って言ってしまったんだ」》(p.15)

なぜ東電は国有化されたのか?

この謎を、核心をつく関係者の証言をもとに、解き明かしていく。

福島原発事故の舞台裏を、経済の面から解き明かした迫真のレポートである。

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2012.11.18

▽ナインティナインの上京物語

黒澤裕美『ナインティナインの上京物語』(大和書房)

タイトルに惹かれて、本書を手に取りました。

「上・京・物・語」(1994年)と言えば、「シングルベッド」がヒットする前のシャ乱Qの曲で、フジテレビの深夜番組「殿様のフェロモン」のオープニングのテーマ曲にも採用されていました。

その「殿様のフェロモン」に出演していたのが、当時売り出し中のお笑いコンビ「ナインティナイン」でした。

本書の著者は、奇妙な縁から一年間だけナインティナインのマネージャーを務めていたイラストレーターで、本書は著者自身とナインティナインの上京物語を綴ったものです。

もともとナインティナインが所属していたユニット「天然素材」では、吉本興行がイチ押ししていたのは「雨上がり決死隊」だったのが、たまたまナインティナインが東京キー局のディレクターの目に止まり、大阪で人気が出るより先に、東京での仕事が増えていったのだそうです。

二人のお笑い芸人と一人の女性の不思議なかたちの青春物語です。

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2012.11.04

▽64――警察が隠し続けた失態とは?

横山秀夫『64(ロクヨン)』(文藝春秋)

警察小説の第一人者である横山秀夫の七年ぶりの新刊。原稿用紙なんと1400枚を超える、647ページの大著。

本書の主人公三上は、D県警の広報を担当する元刑事。

タイトルの64(ロクヨン)とは、昭和と平成のはざまに、わずか7日間だけ存在した昭和64年に発生した誘拐事件を意味する符丁である。

そして、いくつものストーリーが複走する中で、64(ロクヨン)にまつわる、警察のある“失態”が浮かび上がってくる――。

最近マスコミを賑わしているあの事件にも、警察の失態があったのではないか、と囁かれています。そうした現実とのシンクロもあって、いっそうおもしろく読むことができました。

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