2012.12.30

▽『勝てないアメリカ』――「対テロ戦争」の日常

大治朋子『勝てないアメリカ――「対テロ戦争」の日常』(岩波新書)

《「持たざる者」が、「持てる者」を振り回す。小さな蜂の群れが、巨像を襲う。それがこの戦争の日常だ。これが非対象の戦争なのだ。》(p.176)

本書は、アメリカの対テロ戦争がなぜ勝利できないか、という問いについて、あまり報道されてこなかった影の部分を地道に掘り起こすことによって、探っていく。

アフガニスタンに駐留する米軍に同行取材する過程では、乗っていた装甲車が、IED(Improvised Explosive Device=即席爆破装置)と呼ばれる簡易地雷を踏み大破する。シートベルトのおかげで命拾いした著者は、アメリカの対テロ戦争の本質を味あわせられることになる。


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