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2013年1月

2013.01.20

▽幸せだったかな――『ビートたけし伝』

井上雅義『幸せだったかな ビートたけし伝』(白夜書房)

浅草での修業時代のビートたけしを描いた伝記。

著者の井上義は、たけしに一年半ほど遅れて浅草で、芸人修行を始め、後に週刊誌のライターとして、ビートたけしに関わってきた。

ヒット曲「浅草キッド」の冒頭に出てくる「おまえ」は、ブレイクしたツービートの相方ではなく、その前にコンビを組んでいた相方と言われている。その相方と組んだコンビ「リズムフレンド」の漫才が、後の毒舌漫才の原型と思われる。

ビートたけしの知られざる一面に触れた、貴重な伝記である。

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▽安倍と麻生と竹中と――『小泉の勝利 メディアの敗北』

上杉隆『小泉の勝利 メディアの敗北』(草思社)

第二次安倍政権が発足して、そろそろ一ヶ月がたとうとしています。

第一次政権と同じように、小泉・竹中構造改革路線をふたたび継承するのか、それとも、安倍の総裁選勝利に貢献した麻生太郎副総理・財務大臣の公共投資重視の小泉以前の自民党政治に戻るのか、まだ、見極めがつかない状況にあるといえます。

さて、その第一次安倍政権を生み出したのは、5年半続いた小泉政権だったわけですが、その時のさまざまな人間模様を描き出したのが、上杉隆の『小泉の勝利 メディアの敗北』です。

上杉隆が小泉の時代に書いた二十数本の記事を、自分自身で検証するという試みで、2006年に刊行されました。

記事が書かれた背景説明→記事本文→記事の検証、という構成は、やや読みにくい部分もありますが、小泉時代の背景や報道、さらに、政治家同士の人間関係の綾を理解する上で、有益な情報をもたらしてくれます。

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2013.01.19

▽音楽を絵にする仕事――『ザ・ベストテン』の作り方

三原康博『『ザ・ベストテン』の作り方』(双葉社)

《三原康博は、セットをデザインするうえで「ボケとツッコミ」のような要素を意識していたこと、その「両方が必要」であったことを述懐する。……歌手や楽曲の世界観を空間化して見えるかたちにする際、その世界観に寄り添った“順接するデザイン”だけでなく、あえて対立する“逆接するデザイン”を採用することで、他の音楽番組や映像表現では見られない、『ザ・ベストテン』に独自の「音楽を見る」空間を創出し、その体験を視聴者へ提供していたのである。》(p.247)

本書は、1978年から1989年までTBSで放映された音楽番組『ザ・ベストテン』の、そのセットをデザインした三原康博に、当時を振り返ってもらうという企画である。

実際に放映されたセットの写真や、そのもとになったデザイン画・模型の写真とともに演出意図が語られている。記憶に残ってるデザインも多々あり、なかなか見応え、読み応えのある一冊である。

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