2013.05.23

▽『悪韓論』

室谷克実『悪韓論』(新潮新書)

挑戦的なタイトルの本書は、時事通信の記者として、韓国のソウル支局に勤務した著者が、韓国の実態をできるだけ現実に即して描こうとしたものである。

その特徴は、著者の独断ではないことを示すために、《韓国の公式統計や韓国の「権威ある」マスコミ報道を、主たる典拠にした点だ。》(p.7)

感情的な礼賛でもなければ、嫌悪でもない、公式のデータに基づいた韓国論の決定版である。

ただし、日本と韓国は、文化的にも社会構造的にも似た部分は多く、本書の記述を、単にお隣の国の出来事と笑ってすませられないのも事実だろう。

[目次]
はじめに

序章 李王朝の昔から続く宿痾
 滅私奉公とは逆の価値観
 儒教は武器、儒教に基づく政はなかった
 水の漏れない桶・樽も作れなかったので
 「君子不器」の精神で世は回る

第一章 韓国コンプレックスに陥ることなかれ
 韓流オバさんの世迷言
 教育熱強国であることは間違いない
 法定最低賃金を守らなくても処罰されない国
 失業率優等生国、その統計の「裏側」 
 「サムスン財閥」の雄姿に潜む歪み

第二章 格差王国の身分制度
 大卒でなければ人間扱いされない
 大手財閥系はブルーカラーも高給
 オフィスの人口密度が違いすぎる 
 「大部屋重役」のいない国
 一社に社長が十六人!?
 進歩的労組が“職場世襲”を要求

第三章 就職浪人大国の悲惨
 大卒新入社員の平均年齢は二十八歳超
 国民の〇・六%が「留学ないしは遊学中」
 米国には韓国人専用大学が!?
 兵隊のライタイハンの次は留学生のコピノ
 大学を出ても半数は職がない
 「学歴過剰大国」症は昂進する
 「ニート大国」症候群も悪化する
 カップラーメンと焼酎で「消日」

第四章 短期退職者が溢れる国に匠はいない
 「超」短期退職者がいっぱい
 一番人気・最も尊敬される企業でも
 どんな汚い術を使おうと勝てばいい
 鉄拳制裁健在、七三%が“会社うつ病”
 四十五歳定年の仕組み
 最高のバイトは事務補助、最低は……
 生産職は定年延長、事務職には希望退職
 ヒムドゥロヨとケンチャナヨの大合唱

第五章 長時間労働大国の怠慢
 OECD労働統計の罠
 「韓国人は勤勉」とは外国人観光客向け
 自分の苗字も漢字では書けない
 ソウルの板長が吠えた
 怖いからKTX乗車はご遠慮致します

第六章 嘘吐き大国は《外華内貧》で老人自殺大国
 韓国紙にここまで載っているのに
 嘘を重ねて自縄自縛になると
 大統領夫妻が美容整形した輝かしい歴史
 結婚「式」だけの費用が年収を上回る
 子育てと産業化に邁進した高齢者は今

第七章 詐欺大国の上に訴訟大国
 「謝罪させたい」という欲望
 保険金詐欺は医師の協力が不可欠
 交通事故の入院率五八・五%、日本の九・五倍
 請求権、詐取を企図して詐欺に遭う
 「犯罪大国」でもある
 国民の一%超が年に一回告訴する国
 国際法廷を逃げ回る訴訟大国

第八章 高級マンションはヤミ金大国の象徴
 世にも不思議な伝貰というシステム
 ヤミ金市場があるから成り立っている
 「資金の出所は一切問わない」と呼び掛けた軍事政権
 本当は博打大国
 静かな下落で「損切り」できないまま
 リーマンショックを奇貨としたウォン安操作
 関心事は給料日とカード決済額
 家計負債という時限爆弾

第九章 お笑い欺術大国、だから原発が恐ろしい
 就職のために金を払うか――イエス三〇%超
 月給の何倍も稼げるから
 原発「不正部品」納入の闇
 「技術大国」ではなく「欺術大国」
 超公然たるキックバックの手法があった

第十章 恩赦大国に腐臭なき人はいるのか
 「民・民汚職」の常識
 警察官とは、昔から悪い人の代名詞
 朴槿恵が首相候補に指名した元憲裁所長も
 お笑い「就任二十五周年記念でグループ内恩赦」

第十一章 韓国型生活様式が内包する売買春天国
 ソウル特派員はなぜ送稿しなかった
 傷痕だらけの「性史」が今も続く
 専業売春婦と副業売春婦
 老人には老人専門売春婦が偽バイアグラで
 「システムを輸出、人員も派遣」で悪の世界拡散
 文明終末の様相、ここにあり

終章 「大国」「強国」だらけのウリナラ
 ついに「グレート・コリア」の主張が出た
 総合でも「大国」になってしまった
 李王朝時代より進歩したのか

おわりに


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