2013.09.14

▽『原子力ムラの陰謀』――機密ファイルが暴く闇

今西憲之+週刊朝日編集部『原子力ムラの陰謀: 機密ファイルが暴く闇』(朝日新聞出版)

1995年に起きた高速増殖炉もんじゅのナトリウム漏れ事故の際に、謎の死をとげた動燃(現在は日本原子力研究開発機構)幹部が残した膨大な資料によって明るみにされた事実。

それは、1990年代に行われた原子力ムラによる、住民工作、思想調査、マスコミ・政界対策、選挙などの存在を裏付けるものだった。

その実態は本書を読んでいただくとして、西村氏の死について、ちょっと気になる記述がある。西村氏の妻であるトシ子は、夫の死について、「疑念」を抱いていることがわかる。

《トシ子さんは、T氏から〈西村職員の自殺に関する一考察〉という文書を渡された。T氏が西村氏の死の原因について考えをまとめたものだった。……
 そこには「勘異い」という、なぜか遺書と同じ「誤字」が使われていた。
 トシ子さんの疑念は、さらに深まった。》(p.307)

[目次]
プロローグ―「3.11福島原発」の序曲 それは「もんじゅ」事故から始まった
第1章―ウランの里「人形峠」で行われた戦慄の住民思想調査
第2章―動燃裏工作部隊「K機関」を暴く
第3章―梶山静六を大臣に押し上げた原子力ムラ組織ぐるみ選挙
第4章―科学技術庁が指示したNHKへの「やらせ抗議」
第5章―プルトニウム輸送船「あかつき丸」の日米密約
第6章ー動燃「工作」体質の起源
第7章―「もんじゅ」事故前夜の「安全神話」
第8章―もんじゅ事故「隠蔽」極秘記録と西村氏「怪死」の真相
あとがき


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