2013.11.30

▽検察惨敗の記録――『20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う!』

『20人の識者がみた「小沢事件」の真実―捜査権力とメディアの共犯関係を問う!』(日本文芸社)

本書は、今年の8月に出版されたものだが、手に取ったのは11月の中旬になってから。小沢一郎をめぐる事件も次第に記憶から薄れつつあるなか、何か「予感」がしたのかもしれない。

その後、医療法人徳洲会からの資金提供を受けたことで、現東京都知事の周辺が騒がしくなった。巷間伝えられるところによると、検察は政治家のからむ案件には腰が引けており、その遠因となっているのが、本書で詳述されている小沢一郎だけでなくその他も含めた一連の「検察の失態」にあると言われている。

また、本書の本題とは離れるが、興味深かったのが『週刊朝日』がテレビ番組「あるある大事典」の納豆ダイエットをめぐる捏造事件を追及したくだり。

《このスクープについて、他社の人からいちばんよく聞かれたのが「端緒は何だったのか」ということだった。企業の不祥事が発覚するのは、内部告発などの情報提供があることが一般的だからである。しかし、納豆ダイエットは違っていた。「素朴な疑問を取材によって検証する」という、ジャーナリストの基本動作を愚直に遂行した結果だった。》(p.256)

[目次]
序章 かくして検察の「政治的陰謀」は達成された(鳥越俊太郎)

第1章 被害者たちが証言する「国策捜査」の実態
 検察が潰れる「最大の弱み」を告発(三井環)
 「暴力組織」に成り下がった検察、「既得権益」にしがみつくメディア(仙波敏郎)
 権力とメディアの暴走を許さない(鈴木宗男)
 原子力帝国・全体主義国家に変貌する日本(佐藤栄佐久)
 日本の民主主義のため最後まで闘う(石川知裕)
 小沢裁判事件の評価と主権者がとるべき行動(植草一秀)

第2章 民主主義の危機、「検察」の暴走を検証する
 陸山会事件における検察の暴走とメディア(郷原信郎)
 法務・検察官僚に組織としての正義はあるか?(川内博史)
 政治的冤罪事件「小沢ケース」の奇々怪々(有田芳生)
 検察の暴走と「指揮権発動」の真相(小川敏夫)
 検察の暴走・司法の崩壊に、市民に何ができるか(八木啓代)
 暴走検察の背後にある刑事司法の巨大な歪み(青木理)

第3章 なぜ、大メディアは「検察」の暴走に加担したのか
 革命的改革を阻止した官僚と、それに手を貸したマスコミ(高野孟)
 「アンチ小沢という空気」の正体(二木啓孝)
 「週刊朝日」と大手メディアの違いはどこから生じたのか(山口一臣)
 民主統制なき刑事司法に、メディアが最後の砦となれないことの悲劇(神保哲生)
 小沢事件をメディアはどう報じてきたか(浅野健一)
 官僚機構の一部と化したメディアの罪(マーティン・ファクラー)

終章 権力の暴走とメディアの加担ー小沢問題の意味を問う(木村朗)


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